第9章 モブリット生誕記念『今日の主役』
ゆっくり体が離され、今度は顔が近づく。
こ、これってまさか?!!!そんな、こんな人前で?!しかも仲間の前ですよ?!!
でもこれって、千載一遇のチャンスなんじゃない?
もし本当にアレだとしたら、私とモブリットさんは同じ気持ちってことでは……。
モブリットさんの瞼が閉じられ、いよいよそれなんだ!!と確信した。
私も緊張しながら目を閉じる。大丈夫かな?変な顔じゃないかな。
どくんどくんと指の先まで鼓動が伝わる。
モブリットさんの息が顔にかかった!
うわぁー!と心の中で叫ぶのと、おでこに痛みが走るのは同時だった。
「えっ?!モブリットさ、」
「…………」
すぅすぅと寝息を立て、私にもたれかかった体に驚く。も、もしかしてキスだと思ってたの私だけ?!
女の私より当然筋肉量の多いモブリットさんの重さに負け、私は椅子から滑り落ちモブリットさんの下敷きになった。う、動けない!
「あーあ。またか。モブリットって大酒飲みだけど、一定の量を飲むとちゃんと酔うんだよね。ペースが早いからかな。それでいて顔に出ないから、みんな気づかないうちに一人で寝ちゃうのさ」
「解説してないで助けてくださいよ〜!!」
カラカラ笑って助けようとしないハンジさんや、幹部の方々に助けを求めるも、誰も助けようとしてくれない。