第9章 モブリット生誕記念『今日の主役』
頭脳派なアルミンでさえふらふら歩いて、最強のミカサまでエレンと一緒に酒飲み対決をしだしたので、もう何を言っても無駄だと、水の入ったグラスだけ各自の所において席に戻る。
「ありがとうな、ジェス」
「……ずっとお礼がしたかったので。」
空いた隣の席にモブリットさんが移動してきた。せっかくの誕生日席はいいんですか?とおちょくると、落ち着かないからいいんだ、と言って微笑まれた。
誕生日席をちらりと見ると、酔っ払ったナナバさんやゲルガーさん達が椅子に乗り上げて合唱団の指揮をしていたので、私も苦笑いをした。
目の前に座っていたリヴァイ兵長が、団長と分隊長たちが座る席に移動したことで、騒がしいけど2人きりになれた。
もしかして気を使ってくれたのだろうか。
ありがとうございます、兵長。
べろべろな声で歌われる誕生日の歌メドレーを聴きながら、モブリットさんにお酌する。ここにいるメンツの中で一番顔が白い横顔に思わず見とれてしまう。
「そんなに見られたら穴が空くなあ」
「あ、すみません」
「いいぞ。もっと見てても」
「へっ」
ほんのり赤くなった顔と真正面から見つめ合う。
私も顔が熱くなって、下を向いてしまう。