第7章 担当医の名前
ー下校途中ー
園子
「それより見た?」
蘭
「何を?」
園子
「新聞よ新聞!」
蘭
「新一の記事のやつ?」
園子
「そうそう!」
名探偵工藤新一は連日、警察に引っ張りだこで新聞の一面を飾る事も増えた。
隣には“高校生探偵また事件解決!!その名は工藤新 一”と書かれた見出しで、自分の写真が掲載されている新聞を読みながら歩いている本人。
新一
「フフフ…フッフッフ…」
朔哉
「……。」
歩きながら笑っている新ちゃんを横目で見る。
あ、車椅子は園っちが押してくれてる。
…大丈夫なのかこの子は。
マジで時々そう思う。
有希子さんと一緒で目立ちたがりだから仕方ないっちゃ仕方ないのか…?
一般人
「ねえねえ、聞いたー?あの高校生探偵、またお手柄なんだってー!」
TV
《まさに彼こそ、日本警察の救世主といえましょう!!》
新一
「ハッハッハ!!」
朔哉
「………。」
(救世主…。)
園子
「ん?どうかしたの?」
朔哉
「えっ?あっ、いや何でもない。」
園子
「そう?ならいいけど。」
バフッ
蘭
「バッカみたい…ヘラヘラしちゃって。」
朔哉
「蘭ちゃん?」
(空手着ってなかなか痛いと思うよ…。)
新一
「何怒ってんだよ、蘭?」
蘭
「別にー。新一が活躍してるせいで、私のお父さんの仕事が減ってるからって…怒ってなんかいませんよー!!」
新一
「あれー?蘭の父さん、まだ探偵やってたのか?でも仕事が来ないのはオレのせいじゃなくてあの人の腕のせい…」
ドゴッ
新一・園子・朔哉
「!!」
蘭
「だから、怒ってないって言ってるでしょー!!」
新一
「さ、流石空手部女主将…。」
朔哉
「しゅ…主将!?」
(つうか笑いながら電柱破壊…!?)
園子
「え?知らなかったの?」
朔哉
「うん。」
(蘭ちゃん怒らせないようにしよ…。)
そうして騒いでいる間に着いてしまった…。
病院…。
朔哉
「はぁ~…。」
(帰りたい…。)
蘭・園子
「?」
園子
「何でため息?」
新一
「そのうち分かるさ。なぁ?朔哉?」
朔哉
「…ふん。」
蘭・園子
「???」
新一
「ほら、行くぞ。」
朔哉
(鬼がいる…。)
朔哉の心境などお構い無しである。