第6章 小さくなった名探偵
それから課題曲と自由曲の歌詞が印刷してあるプリントが配られたのはいいんだけどこの中から選べと言われた。
朔哉
「だからあんなに沢山のプリント…。」
因みに課題曲は
『心の瞳』
ってやつだ。
自由曲は
『翼を下さい』
『tomorrow』
『涙をこえて』
『大きな古時計』
の4つから選べと…。
どれも合唱の定番じゃねぇか…。
って『大きな古時計』入ってるし…。
先生
「自由曲は今決まらなければ次の授業までに…ってところで星咲はどの程度弾けるんだ?」
朔哉
「?一度楽譜を観て曲を聞けば大体弾けますけど…。」
先生
「本当か!?」
朔哉
「はい。まぁ曲によっては1~3日程缶詰状態になりますけど。」
新一
「嘘くせぇって思うだろ?でも朔哉の言ってる事はマジだぜ?さっきも楽譜なんて無かっただろ?」
園子
「うん。教科書と筆記具しか持ってなかったし。」
男子生徒A
「凄かったよな~!」
先生
「じゃあ課題曲を弾いてくれないか?」
朔哉
「はい。」
因みにさっき新ちゃんや園っちが言ってたように『大きな古時計』を弾いてた時も楽譜は観てない。って言うか持って来てない。
俺は『心の瞳』の楽譜を先生から貰い一通り観て覚えると新ちゃんに楽譜を預け弾いて見せた。
そ。暗譜ってやつだ。
弾き終わるとクラスメイトはもちろん先生も納得してくれたみたいだった。
結局自由曲は次の授業までに決めて来るように言われた。
とここまでは順調だったんだけど教室に戻る途中で気分が悪くなった俺は新ちゃんに連れられ保健室へと向かった。