第6章 小さくなった名探偵
朔哉
「ところでさ…」
新一
「ん?」
朔哉
「そのプリントの山は…?」
新一
「あぁ…これは内緒だ。」
朔哉
「ケチ。」
新一
「いいからさっさと席に…」
朔哉
「あっ…」
園子
「どうしたの?」
朔哉
「ピアノ…。」
蘭・園子
「ピアノ?」
朔哉
「少し弾いても大丈夫かな…?」
新一
「いいんじゃねぇか?」
男子生徒A
「お前弾けるのか?」
朔哉
「少しなら。」
蘭
「何弾くの?」
朔哉
「ん~…久々だから簡単なのでいい?」
蘭
「うん!」
朔哉
「じゃあ…これとか?」
そう言ってメトロノームでリズムを取り弾き始めた朔哉。
♪『大きな古時計』
朔哉が弾き始めるとお喋りしていた生徒もいつの間にか喋るのを止め聞き惚れていた。
朔哉のピアノのみ。
蘭
「!この歌知ってる!」
女子生徒A
「歌ってもいい?」
そう訪ねれば弾きながら頷く朔哉。
新一や蘭達はピアノの回りを囲っていて知らず知らずのうちに口ずさむ者も何人かいた。
蘭・園子・女子生徒達が次々に歌い始める
♪~
新一
「……。」
(相変わらず朔哉って凄いよな…。)
朔哉は昔から人を惹き付ける物を持ってる。
何でかは分からないけど。
その証拠に…
ほら、見てみろよ?
声のする方はバラバラだけど気付けば殆どの奴等が歌ってる。(鼻歌のやつもいる。)