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secret love★秘密の恋 ~長編~

第5章 医者と患者と約束


ー朔哉病室ー

医者が居なくなった病室に暫しの沈黙が流れた。

というより新一は朔哉の傷や栄養失調の事で上手く頭が回らずどう声をかけていいか分からなかった。

そんな中沈黙を破ったのは…

朔哉
「ねぇ?新ちゃん」
新一
「ん?」
朔哉
「先生と話したんだろ?」
新一
「あ、あぁ。」
朔哉
「何て言ってた?」
新一
「あー…足は骨折で全治3ヶ月で出来るだけ動かすなって。」
朔哉
「そっか…。他は何て?」
新一
「風邪と軽度の栄養失調だから栄養のある物を摂取するようにって言ってたけど…」
朔哉
「新ちゃん…」
新一
「どうした?」
朔哉
「痛てぇ…!」
新一
「どこが痛いんだ?」
朔哉
「腕っ!逆流してるっ!」
新一
「はっ…?」

そう言われ新一が朔哉の点滴を見れば空っぽになったのか今度は血液が管を通り上へと逆流し始めていた。

新一
「ゲッ!」
朔哉
「いいからナースコールっ!!」

テンパる朔哉。

ナースコールで呼ばれた看護婦。

看護婦
「どうかしましたか?」
新一
「それが気付いたら血が逆流してて…。」
看護婦
「大丈夫ですから落ち着いて下さい。」
朔哉
「……っ!」
(冷てぇっ!)

看護婦の持って来ていた新しい点滴に変えられ、逆流した血が管を通り朔哉の体内に戻っていく。

新一
「これで一安心だな。朔哉大丈夫か?」
朔哉
「ちょっとビックリしたけど大丈夫だ。」
新一
「……。」
(あれのどこがちょっとなんだよ?)
看護婦
「すみません。私の不注意で…。」
朔哉
「いや、いいよ。次からお互い気を付ければいいんだし。完璧な奴なんていないんだから。」
看護婦
「じゃぁ次はここまで来たらまたナースコールで教えてくれますか?」

と看護婦は点滴にペンで印をつけながら朔哉に言う。

すると朔哉も

朔哉
「分かった。」

と答えた。


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