第3章 ぬくもり
蘭ちゃんが布団を変えてくれてる時だった。
蘭
「ねぇ、朔哉。」
朔哉
「うん?」
蘭
「お腹…空いてない…?」
朔哉
「……え?」
蘭
「空いてないならいいんだけど。」
朔哉
「あっ…うん。空いてはいるけど今は…あんまり食べたくねぇんだ。」
蘭
「そっか。無理して食べるのも良くないもんね。」
新一
「朔哉、着替え持って来たけど1人で着替えれるか?」
朔哉
「ん…大丈…夫。」
着替えを受け取ろうとして立ち上がる。
新一
「…どこが大丈夫なんだよ?ふらふらしてるじゃねぇか。」
朔哉
「へへ…。」
新一
「ったく…。蘭、悪いけど朔哉着替えさせるからちょっと出てろ。」
蘭
「うん。何かあったら呼んでね?」
新一
「あぁ。布団ありがとな。」
蘭
「うん。」
新一
「お前ないい加減…」
朔哉
「……。」
新一
「!」
(泣いてる…?そんなにきついのか?)
一筋の泪が朔哉の頬を伝ったように見えた。
朔哉
「新…ちゃ…。」
新一
「うん?」
朔哉
「少しだけ…甘えていい?」
新一
「…あぁ。」
朔哉が俺に甘えて来る時は大抵何かあった時なんだよな…。
全く…世話の焼ける弟だな。