第3章 ぬくもり
新一
「今度は何があったんだ…?」
朔哉
「何でもない…。」
新一
「…甘えて来る時は何かあるだろ?」
朔哉
「……。」
今の状況を説明すると、朔哉を着替えさせて(拭いて)ベッドに寝かせて添い寝してる。
こうしてやると落ち着くんだとよ。
朔哉
「…俺やっぱ新ちゃんいないとダメみたいだ。」
新一
「?」
朔哉
「……やっぱ…今の忘れて。」
新一
「何だよ?」
朔哉
「新ちゃん探偵なんだろ?」
新一
「…それがどうしたってんだよ?」
朔哉
「もういい…。」
そう言って背を向ける朔哉。
ムカッ
グイッ
朔哉
「!?」
新一
「俺そろそろキレてもいいか?朔哉?」
朔哉
「だって…。」
新一
「だって何だよ?」
朔哉
「…眠い…zzz。」
新一
「?眠い?って寝てるし…。」
1度寝ると朔哉は起きない。
しかも向い合わせで密着してる状況。
仕方ないからとりあえず頭撫でてやる。
朔哉は幼い頃に両親を事故で亡くしたから親のぬくもりを知らない。
俺の家に来た時はまだ4~5歳くらいだった。
イルカのぬいぐるみを抱えて眠るのは昔からの癖らしい。
そんな朔哉が最初に心を開いたのは父さんでも母さんでもなく俺だった。
朔哉が、甘えて来る時は『ぬくもり』が欲しい時でもあるのだと今更ながら思い出した新一だった。