第3章 ぬくもり
ー朔哉部屋ー
カチャ…
朔哉を起こさないようにそぉ~っとドアを開ける。
新一
「…朔哉?」
朔哉
「……ん……。」
先程よりも落ち着いてるかのように見えたが近づいてみれば汗を大量にかいていた。
新一
「!すげぇ…汗でびっちゃりじゃねぇか…!」
とりあえず額の汗を拭いて蘭が買って来てくれた冷えピタを張り付けてやる。
朔哉
「…っぅ~…!」
冷たかったのか目を覚ましたようだ。
新一
「朔哉?俺だ。分かるか?」
朔哉
「……しん…いち…?」
熱があるせいかウルウルした目で俺を見てくる朔哉。
新一
「…起きれるか?」
朔哉
「……むぅ…。」
新一
「やっぱ無理か…。」
朔哉
「…あたま…いてぇし…なんか…あちぃ…。」
新一
「そりゃ39度4分もありゃ頭も痛ぇしあちぃだろ?」
朔哉
「………え?」
新一
「え?じゃねぇよ。大体お前なぁ~きついならきついってちゃんと言えってあれ程言ってたじゃねぇか。」
朔哉
「でも…。」
新一
「でもじゃねぇ。とりあえず汗でベタベタするだろ?体拭いてやるから脱げ!」
朔哉
「……やだ…。」
新一
「ふーん…。悪化して病院に連れられて入院とかなっても俺は助けてやんねぇ。」
朔哉
「!」
『病院』と言う言葉に反応した朔哉。
余程病院が嫌いな様子。
新一
「どうすんだ?」
朔哉
「……新ちゃんの意地悪…。」
ムスッとふてくされた朔哉を可愛いと思いながら笑いをこらえる新一。
新一
「早くしねぇと手伝ってやんねぇ。」
朔哉
「……起こして…。」
新一
「…しゃーねぇな…。ほら手貸せ。」