第2章 留守番後の衝撃
「!」
つまり薬の成分がわかれば作れるかもしれない。
この1つしかない可能性に気づいたら、私がする事は決まっていた。
「…その人達から薬を貰うか奪うかすればいいんだよね」
新一/阿笠博士
「!?」
ポツリと呟く私に2人からの視線が集まる。
お兄ちゃんが危険だと反対してくるのを予想していたのだが、すぐ私の目の前に来たのはお兄ちゃんではなかった。
阿笠博士
「音羽くん、君は絶対にそいつらと接触してはダメじゃ」
「え…」
真正面から肩を掴み、私の顔を覗き込んできた博士。
博士はいつもの優しい様子とは違い、有無を言わさない真剣な声で言い聞かせるように話し始めた。
阿笠博士
「新一はあまりにも名が知られすぎておる。殺したのは工藤 新一だともう気づいている事だって有り得るのはわかるかな?」
「…うん」
阿笠博士
「そんな奴らの前に新一によく似ている君が現れてみろ。工藤 新一の関係者だと君まで狙われる事になりかねん」
博士の言っている事は正しい。
お兄ちゃんは小さくはなったが、こうして生きている。
でも毒薬を飲んだのが私だったらどうだろうか。
お兄ちゃんよりも小さくて、1人じゃ何もできないただの子供なんて簡単に殺せてしまうのではないのか。
「…っ」
今回の事は私が思っている以上に危険で、手に終えるレベルを超えている。
その現実をわからされ、私も役に立てるかもしれないなんて甘い考えだったと痛感した。
新一
「博士の言う通りだ。お前には危険すぎる…」
博士
「そう言う新一もじゃぞ!」