第2章 留守番後の衝撃
黙ってしまった私の次に、博士はお兄ちゃんへと向き直った。
阿笠博士
「君は小さくなった事をワシら以外に言っちゃいかん!!」
新一
「え?なんで…」
阿笠博士
「君が工藤 新一だとわかったら君は命を狙われるし、君の周りの人間にも危害が及ぶかもしれん…。だからワシと音羽くんと君だけの秘密じゃ!!」
私達3人だけの秘密。
つまり、お兄ちゃんはこの状況を信頼してる人にも話せないという事になる。
「蘭姉ちゃんにも…?」
理解はしていたのだが、家族以外で1番信頼していると言っても過言ではない蘭姉ちゃんに話せないのは辛いはず。
そう思って問いかけるも、博士は首を縦には振らない。
阿笠博士
「もちろん蘭くんにも言ってはならん!」
博士がお兄ちゃんに念を押したその時、玄関のドアがガチャリと開く音が書斎にまで聞こえてきた。
博士/新一
「!?」
「まさか…」
お兄ちゃんに毒を飲ませた奴が来たのか。
もしそうだとして、用はなんだろうか。
工藤 新一が本当に死んでいるかの確認か、それとも家族も殺しに来たのか。
嫌な想像が急速に頭を駆け巡る。
蘭
「音羽ー?鍵開いてるけど、新一帰ってきてるのー?」
そんな私達を安心させたのは、書斎にいてもはっきり聞こえるこの声。
「そういえば蘭姉ちゃん、お兄ちゃんの事心配して電話かけてきてた…」
きっとあの後にすぐ家を出てくれたのだろう。
お兄ちゃんは幼なじみに大切に思われてて幸せ者だな、なんて口角が上がってしまう。