第4章 2度目の事件
コナン
「ブラック!?」
「じゃあさっきのやつが…」
お兄ちゃんを小さくした犯人だったのだろうか。
そうだとすると、私はお兄ちゃんを助ける最大のチャンスを逃したのかもしれない。
せめて顔だけでも見ておけばよかった。
私がそう後悔している間にも、2人の会話は進んでいく。
宮野 明美
「組織のやつらが好んで着るのよ…。カ、カラスのような黒い服をね」
「明美さん…」
そこまで言い切るともう限界だったのだろう。
明美さんは私の手を借りながらゆっくり横になった。
宮野 明美
「さ、最後に聞いて…くれる?」
「…うん」
私の方を見て言われた最後という言葉に死を意識して声が震える。
宮野 明美
「さっき、色々聞いたこと…。全部、忘れてね…」
「さっき…」
宮野 明美
「…重荷を背負う、事になる。でも、もしあなたが…この人にならって人が現れたら吐き出して」
「……わかった」
明美さんはわかっていた。
忘れて欲しいけど、こんな事を簡単に忘れられる訳がないと。
だからこそ私に抱えきれなくなった時の逃げ道を与えてくれたのだろう。
私が頷いたのを見て、明美さんはもう力も入らないであろう手を動かす。
コナン
「!」
その手はしっかりとお兄ちゃんの手首を掴んでいた。
宮野 明美
「10億円の入ったスーツケースは…、ホテルのフロントよ…」
コナン
「……っ」
宮野 明美
「そ、それを…。やつらより先に、取り戻して欲しいの…」
まさかの告白にお兄ちゃんが目を見開いた。
宮野 明美
「もうやつらに利用されるのはごめん、だから…」
コナン
「……え」