第4章 2度目の事件
だが、私の手はやんわりと制されてしまった。
私の腕の中にいる明美さんによってだ。
宮野 明美
「もう手遅れよ…」
コナン
「喋っちゃダメだ!!喋ると傷口が…」
宮野 明美
「うっ!」
苦しそうに話しながらも私から少し体を離した明美さん。
だが、お兄ちゃんが心配するのと同時に大きく咳き込んだ。
口から血を吐き出しながら苦しそうにしている明美さんの血が、私の服や顔をも赤く染める。
宮野 明美
「…ごめんね、汚して」
「………」
優しく私の顔に付いた血を拭って謝罪されたが、そんなの全然構わないに決まっている。
でもその言葉は出てこず、涙を零しながら首を振る事しかできなかった。
そんな私に苦しいだろうに微笑みを向け、お兄ちゃんへと視線を移す。
宮野 明美
「どうしてここがわかったの?この子は私に着いて来ただけ、あなたはなぜ?」
コナン
「………」
一瞬の静寂。
その間にお兄ちゃんは決意したのだろう。
どうしてわかったのかという所から全て説明するのだと。
そこからの2人の会話でわかった事はこうだ。
10億円輸送車強奪事件の犯人は明美さんと広田 健三さんとあの弟を名乗っていた大男だということ。
発信機を付けた時計を大男が持っていたのは、広田 健三さんを殺害した時に彼の時計が壊れたからあげたということ。
そして自分も彼らと同じよう、組織によって殺されるのだということ。
コナン
「組織…?」
最後の話の途中でお兄ちゃんが首を傾げた。
この反応からすると、お兄ちゃんは組織の人達を見かけていないらしい。
宮野 明美
「謎に包まれた大きな組織よ…。末端の私にわかっているのは組織のカラーがブラックって事だけ」