第4章 2度目の事件
「嘘っ!」
急いで明美さんの元へと走りよると、お腹を押さえて倒れ込んでくる。
そんな明美さんを受け止めた時だった。
「!」
聞こえてきた数人分の足音。
あの仲間が戻ってきたのだろうか。
もうどうしようもない状況に身を固くして、明美さんを抱く腕に力が篭もる。
コナン
「雅美さん!!」
「おに、ちゃ…」
でもその必要はないとすぐ安心できた。
駆け寄ってきたお兄ちゃんは私に体重を預けている雅美さんを見て顔色を変える。
そしてそんなお兄ちゃんの後ろから蘭姉ちゃんも走ってきた。
蘭
「どうしたの雅美さん!それに音羽も大丈夫なの!?」
「け、拳銃で撃たれて血もすごくて…」
蘭
「拳銃!?」
チラリと明美さんの体に目を向けると、彼女の体は自身の血で赤く染っている。
それを見た私は上手く説明できずにパニックになりそうになっていた。
ほぼパニック状態の私に、お腹を押えて荒い呼吸を繰り返す明美さん。
蘭
「何が起きてるの…」
コナン
「蘭姉ちゃん!救急車呼んで!!」
状況を把握できない蘭姉ちゃんまでも混乱し始めた時、お兄ちゃんが大きな声で指示を飛ばした。
コナン
「それにおじさん達も!!」
蘭
「わ、わかった!」
2つめの言葉で蘭姉ちゃんもハッとしたらしく、走り去って行く。
そして次にお兄ちゃんは私に優しく声をかけた。
コナン
「音羽は雅美さんをそっと寝かせるんだ」
「…そっと」
コナン
「そうだ。出血箇所に負担をかけないように…」
言われた通りそっと体を寝かせようとする。