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桜の秒針【名探偵コナン】

第4章 2度目の事件





広田 雅美
「雰囲気を変えた私がいたから着いて来ただけって事でいい?」

「………」

広田 雅美
「いいわね?」


頷け、そう言っているような言葉に私は頷くしかなかった。
すると雅美さんは安心したように微笑んで、サングラスを付け直す。


広田 雅美
「タクシー呼べる?」

「……うん」

広田 雅美
「じゃあしばらく身を隠して安全そうだったらこっそりここを離れてタクシーで帰りなさい」


優しくも有無を言わせない言い方。
こんなの拒否できるわけがない。


広田 雅美
「じゃあ私は行くわね。ちゃんと見つからずに生きて帰るのよ」

「………」


頭を撫でて雅美さんは離れていく。
遠ざかっていくヒールの足音を聞きながら、私はコンテナの影に溶け込むよう膝を抱えて小さくなった。

恐らく雅美さん以外に見つかると殺される。
どうか見つかりませんように、そう祈りながらじっとしているとすぐ近くで別の足音が聞こえてきた。


低い声の男
「ご苦労だったな。広田 雅美」

「!」

低い声の男
「いや、宮野 明美…」


低い男の声でビクッと体が揺れる。
そのうえ雅美さんの名前を言い直している辺り、この人が仲間で間違いない。

そして宮野 明美、それが雅美さんの本名なのだと知ってしまった。


宮野 明美
「1つ聞いていいかしら?」

低い声の男
「なんだ」

宮野 明美
「あの大男を眠らせる為に貰った睡眠薬…、これを飲んだら血を吐いて動かなくなったけどどういう事?」


大男とはあのホテルにいるらしい広田 健三さんの弟と自称する人の事だろうか。
ではお兄ちゃん達は遺体を見つけて慌てて追いかけてきたという事だったのだ。
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