第4章 2度目の事件
そこで見つけたのが雅美さんが乗ったタクシーのすぐ後ろをタクシーで追いかける音羽の姿だった。
なんとかすぐ後のタクシーに乗る事ができた俺達だったが、信号に阻まれ目的地に着く頃には完全に見失ってしまっていた。
蘭
「どうしよ…。もう音羽も見当たらないし…」
コナン
「……っ」
もし雅美さんが殺人犯なら音羽が危ない。
つい焦ってしまうが、この港にタクシーが入っていくのは見えたのだ。
絶対2人はここにいる。
コナン
「行こ!」
蘭
「ちょっと、コナンくん!?」
走りながら周囲に目を凝らす。
何としてでも無事に音羽を見つけて連れて帰る。
そして家で今回の無茶について説教してやらなくてはいけない。
コナン
「…無事でいろよ」
妹を守るのが兄の役目なのだから。
*✿✿✿✿✿*
(音羽side)
「いっ…」
腕を強く引かれてかなりの勢いで尻もちをついた。
鈍い痛みが広がるが、それどころではない。
広田 雅美?
「………」
目の前にいるのは私の腕を引っ張った人。
暗くて見えずらいが、この服は間違いなくあの女性だった。
「……っ」
広田 雅美?
「…手荒な真似してごめんなさい」
まさか見つかってしまうなんて思っていなかった。
何をされるか分からない恐怖に体を震わせていた私にかけられたのは、酷く優しい謝罪だった。
広田 雅美?
「痛かったよね。でもあいつらには見つからないようにしないといけないから…」
「あいつら…?」
ここで誰かと待ち合わせているのだろうか。