第4章 2度目の事件
本当にこの人に聞いて助かった。
大きなヒントをくれた上に言い訳しなくても済んだなんてありがたすぎる。
きっとこんな推理の仕方をしていたなんて知ったらお兄ちゃんはうるさいだろうが、こうして上手くいくのが私だ。
自分で組み立てた考えを纏めて少し満足感を感じていた時、タクシーが暗い道に入った。
運転手
「ここ港か…」
ポツリと呟いた言葉を拾い、気を引き締めなおす。
お兄ちゃん達が乗るタクシーは信号に引っかかり少し離されているようだった。
つまり降りたらお兄ちゃん達が来るまでは私だけになる。
運転手
「お嬢ちゃん。着いたよ」
「あ、ありがとうございました」
運転手
「こんな夜遅いのにここでいいのかい?危ないんじゃ…」
タクシーに乗ってから1時間以上は経っているので外はもう暗く、月も出ている程だった。
だからこそ心配かけてしまっているのだが、ここに留まっていては来た意味がなくなる。
「大丈夫です!すぐにお姉さんと後ろにいたお姉ちゃんとも合流するので!」
そう言ってお金を渡し、タクシーを見送った。
女性が乗ってきたタクシーももちろん既におらず、女性の姿も見当たらない。
「……っ」
少し怖さを感じながら私は歩き始めた。
まずはあの女性を探さなくてはいけないからだ。
そして暗い港を足音に気をつけながら歩き始めてすぐだった。
「……え」
コンテナの影から伸びてきた手。
それにより私は暗闇に引きずり込まれてしまった。
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(コナンside)
部屋で殺害されていた大男を見て急いで雅美さんと思われる女性を追いかけた俺と蘭。