第4章 2度目の事件
前回の事件で危険だったからだろう。
お兄ちゃんはそれ以上は言い返さず、押し黙ってしまった。
博士
「冷静、沈着、かつ慎重に…」
そんなお兄ちゃんに博士はいつも通り優しく声をかけ、充電が終わったメガネを差し出す。
博士
「それが君の好きなホームズじゃろ?」
コナン
「わ、わかったよ…」
ウインク付きでそう告げた博士にお兄ちゃんは渋々納得するしかないようだ。
博士にナイスと思いながら、私はおじさんに発信機の事を誤魔化してどう協力を仰ぐかを考え始めたのだった。
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お兄ちゃんが学校の帰り道に例の弟を見かけたと言って、私達は無事におじさんを連れ出す事に成功していた。
コナン
「その交差点を右に…」
助手席に座るお兄ちゃんが運転手へと指示をし、着実に発信機のある場所へと近づいていく。
この先に広田さんを殺害した犯人が恐らくいる。
半信半疑なまま来たおじさんと蘭姉ちゃんを他所に、私達は緊張感がどんどん高まってきていた。
コナン
「ここだよ!」
小五郎
「あー、じゃあここで降りるので止めてください」
発信機を追って辿り着いたのはホテルだった。
ここにいるのならフロントの人に聞けば手がかりが掴めるかもしれない。
本当にこんな所にいるのかと言わんばかりな態度を取るおじさんだったが、お兄ちゃんが走って中へと入ってしまったので追いかけるしかなかった。
小五郎
「あのー」
フロント
「はい。ご宿泊ですか?」
小五郎
「あ、そうじゃなくてこの人を見かけませんでしたかね〜?」
申し訳なさそうに写真を見せるおじさん。