第2章 留守番後の衝撃
ここにいるのも隣だから家を間違えただけで、私の名前は博士が教えたのかもしれない。
そう考えると辻褄が合う。
どこかホッとして博士の方へと歩いていった子供の後を私も追いかけた。
阿笠博士
「なんじゃ?お前は」
子供
「俺だよ!俺!!」
でも聞こえてきた会話は私をまた混乱させる内容だった。
子供
「工藤 新一だよ!!!」
「…へ?」
工藤 新一。
紛れもない私の兄の名前だ。
阿笠博士
「なんじゃ、新一の親戚の子か。そういえば新一の小さい頃によく似とる」
子供
「いやいや、俺が新一なんだよ!帝丹高校2年の工藤 新一…」
なぜか勝手に納得してしまった博士と、自分が工藤 新一だと言い張る子供。
そんな収拾がつかない状況に、とうとう私も会話に入った。
「博士」
阿笠博士
「おー!音羽くんか。こんな時間に外に出ると危ないぞ」
「いや、今はそんな事よりも…」
そこで言葉を止めて小さな彼をチラリと見る。
私の視線を追いかけた博士も、彼の存在を思い出したようだ。
阿笠博士
「そうじゃった。新一にお客さんが来てるんじゃが、中におるかの?」
「ううん。まだお兄ちゃん帰ってきてないの」
子供
「だーー!俺が工藤 新一だって何で信じてくれないんだよ!」
これだけ工藤 新一の名を名乗るのだ。
きっとお兄ちゃんの事件の関係者とかだろうと思い博士と話していたのだが、子供が痺れを切らしたように声を上げた。
子供
「なんなら2人の事を話してやろうか!?」
阿笠博士
「なんじゃと?」
子供
「阿笠 博士52歳!俺ん家の隣に住んでる風変わりな発明家で、自分じゃ天才と言ってるけど作った物はガラクタばかり!」
子供が話し始めたのは阿笠博士のプロフィール。