第4章 2度目の事件
思わず兄妹で顔を見合わせるが、私達が慰めても意味はない。
蘭姉ちゃんの気持ちが晴れるのは雅美さんが見つかった時だけだろう。
そうして何もできずに困っていた時だった。
蘭
「あれ…」
「?」
蘭姉ちゃんがポツリと声を漏らした。
その声に全員の視線が蘭姉ちゃんへと集まる。
蘭
「お父さん、サングラスかけた人がずっとこっち見てる…」
小五郎
「んー?」
ずっと外から探偵事務所を見ている人。
普通に考えて不審者か、依頼をしたいけど勇気が出ない人かのどちらかだろう。
とりあえず窓に近づいたおじさんの隣へ行き、私も外を確認した。
「大きい男の人…」
広田さんを殺害したのは大男だったはず。
もしかするとここに雅美さんが依頼しに来ていた事を知って様子を見に来た犯人なのではないだろうか。
「犯人って…」
小五郎
「あいつ!?」
そうおじさんに話そうとしたのだが、私以上に険しい表情をしているのを見て言葉が止まった。
コナン
「おじさん!あの人知ってるの!?」
小五郎
「ああ!あいつは広田さんのアパート近くをうろついていた怪しいやつだ!!」
コナン
「それじゃあ殺害したのはあいつか…!」
あの大男が犯人かもしれない。
おじさんとお兄ちゃんはすぐに下へと走り出す。
小五郎
「待ってろ蘭!とっ捕まえて雅美さんの居場所を…」
蘭
「あの人が…」
小五郎
「え?」
でもそれ以上に早く動き出していたのは蘭姉ちゃんだった。
ただ外に向かうのではなく、なぜか窓を勢いよく開け放ったのだ。
蘭
「あの人が雅美さんを…!!」