第4章 2度目の事件
コナン
「ああ。それでもう1回発信機を追って、雅美さんか大男を見つけるとしようぜ」
私の考えた可能性に賭けて、もう1度追いかけようとするお兄ちゃん。
でもそれに私は待ったをかけた。
「博士の家の前に1回探偵事務所の方に戻ろうよ」
コナン
「なんでだよ」
「だって空見て?」
不服そうなお兄ちゃんだが、素直に空を見上げてくれる。
視線の先にある空は日が落ち始めてオレンジ色に染まっていた。
つまりおじさん達と別れてから結構な時間が経ってしまっているという事で、ここで帰らないと帰宅が夜になってしまうのだ。
「帰るでしょ?」
コナン
「…そうだな」
全て言わなくてもわかってくれたらしい。
素直に頷いたお兄ちゃんを見てから、私達は毛利探偵事務所へと帰路を急いだ。
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小五郎
「まったく…。こんな時間までお前達は何してたんだよ」
コナン
「ごめんなさーい!」
「次からは遅くなる前に帰ります…!」
日が完全に落ちてしまう少し前に帰ってきた私達を出迎えたのはおじさんだった。
てっきり遅くなった事を蘭姉ちゃんに怒られると覚悟していた私達は拍子抜けしながらも、おじさんに謝罪をして事務所へと足を踏み入れる。
「蘭姉ちゃん」
蘭
「あ……。おかえりなさい」
「……ただいま」
窓辺に立って外を見ていた蘭姉ちゃん。
そっと声をかけると、心ここに在らずといった雰囲気のまま返事をしてくれた。
「………」
コナン
「………」
どうやら私達が思っていた以上に、この事件に堪えているようだ。