第4章 2度目の事件
これで私達にできる事はなくなってしまった。
「帰ろっか」
だから私は博士に文句を言いながら歩き出す。
お兄ちゃんもそんな私にすぐ追いついて来て、2人で来た道を引き返し始めた。
コナン
「せっかく腕時計に発信機付けてたのによー」
「腕時計に付けてたんだ?」
コナン
「ん?言ってなかったか?」
聞いたけど答えて貰えませんでした。
そう言いたかったが、言葉を飲み込んで頷くだけにしておく。
でも腕時計なら今でも雅美さんが持っているとは言い難いのではないだろうか。
「その腕時計さ。犯人が持って行ったって事は有り得ないの?」
コナン
「んー、なくはないと思うけど…」
来た時とは対照的に、ゆっくり歩きながらお兄ちゃんに問いかける。
現場に残されていた雅美さんの痕跡はメガネだけ。
腕時計よりも必需品であるはずのメガネがないのに、腕時計は今でも持っているというのは少し不自然ではないかと思ったのだ。
「何か引っかかる?」
コナン
「いや、引っかかると言うか高校生が持ってるような時計をそんな大男が欲しがると思うか?」
「殺害する時とか誘拐する時に壊れたから盗ったとかじゃない?」
コナン
「じゃあ広田さんを殺害した犯人があのパチンコ屋にいたかもしれないって事か…」
私のは推理というより、ただの事実と想像を繋ぎ合わせただけのただの妄想に過ぎない。
それでもお兄ちゃんはしっかりと私の話を聞いて推理の役に立ててくれるようだった。
コナン
「一旦博士の家に行ってみるか」
「充電しに行くの?」