第4章 2度目の事件
だから1番有り得る事として辿り着いたのは、お兄ちゃんが発信機を付けた何かを雅美さんではない人物が持っているという事だった。
コナン
「いってぇ〜!」
そう結論づけてあまり期待しないで待っていた私の元に、ようやくお兄ちゃんが戻ってきた。
ただ自分の足で、ではなく店員さんに店外へと放り出されてだ。
「おかえり」
コナン
「おかえりってお前なぁ…。ここでずっと待ってたのかよ…」
外に放り出された時に打ったらしいお尻を擦りながらジトっとした目でお兄ちゃんはこちらを見てくる。
「入ろうとは思ったんだけどお兄さんに止められちゃったの」
コナン
「お兄さん?誰だそれ」
誰かと言われても私にもお兄ちゃんと同い年くらいのお兄さんって事くらいしかわからない。
それを伝えてもいいが、今はそれよりも大事な事があるはずだ。
「そんな事より雅美さんは?」
コナン
「ああ…。いなかったよ」
「…そうだと思った」
予想通り雅美さんはここにいなかった。
もしいたとするとお兄ちゃんと共に出てきているはずだから1人で戻ってきた時点で察してはいたが、唯一の手がかりがなくなってしまったショックは大きい。
「発信機はここを指してるんだよね?」
コナン
「そうなんだけどよ…」
「?」
念の為確認すると、なぜかお兄ちゃんは言い淀んだ。
その反応の意味がわからずに私は首を傾げる。
コナン
「こんな時に限ってメガネの電池が切れちまったんだよ」
「もー!博士の発明品って肝心な時に使えないんだから!」
コナン
「ははは…。それ聞くと博士泣くぞ」