第4章 2度目の事件
最悪の時はこれでなんとかなるだろうと思ったのだが、でもそもそもそれが不可能だとすぐに気づいた。
「でもその発信機どうやって付けるつもり?」
もし連絡がつかないのが何かトラブルに巻き込まれているのだとすると、今から発信機を付けても遅いだろう。
こうなると突然役に立たない物となってしまったメガネをつんとつつくと、お兄ちゃんはこちらを見てニヤリと笑った。
コナン
「大丈夫!雅美さんが最初に来た時、たまたま付けちまってるから」
「へ?」
いつそんな事をしたのか。
気になってそれも聞こうとしたのだが、その前に広田さんの家に到着してしまった。
コナン
「蘭姉ちゃん!」
「雅美さんいた?」
話は後にして私達よりも少し先に着いていたおじさんと蘭姉ちゃんに近寄る。
蘭
「ううん。インターホン鳴らしたんだけど誰もいないみたい…」
「2人で出かけてるのかな…」
何か嫌な予感はしていた。
だからむしろそうであって欲しいと思いながらそう呟く。
小五郎
「まあ大丈夫だとは思うが、蘭が気になるみたいだから大家さんの所に行こうって話してたところだよ」
コナン
「じゃあみんなで行こ!」
家を出る前まではあまり関心がないように見えていたおじさんも心配になってきたらしい。
お兄ちゃんの言葉に頷いて、すぐに大家さんが住んでいると思われる部屋へと歩き出した。
大家
「…はい?」
小五郎
「あー、すみません。探偵の毛利 小五郎というものですが」
大家
「探偵?」
インターホン越しに聞こえてきたのは年配の女性の声。