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桜の秒針【名探偵コナン】

第4章 2度目の事件




「…まあ広田さんの普段の様子を知らないし、そもそも一言も声を出さなかったから勝手にそう感じただけだと思うけどね」


私の言葉を聞いて考え始めてしまったお兄ちゃんに一応そう付け加えておいた。
でも1度思考の海に沈んだお兄ちゃんの耳にはもう届かない。


コナン
「雅美さんって高校生って言ってたよな?」

「うん。お父さん探すために学校休んで青森から来たって」

コナン
「そこまでして遠くから探しに来てくれた娘を見て、最後まで声すら出なかった…確かに変だな」


お兄ちゃんがよく捜査の協力をしていたのは殺人事件や誘拐事件。
だからただの人探しだからと雅美さんの情報をあまり真剣に聞いていなかったのだろう。

私に確認してきているところを見ると、ようやく探偵モードに入ったらしい。


「雅美さんも広田さんも無事で何事もないといいけど…」

コナン
「ああ…、でも安心しろよ。俺にはコレがあるから」


段々と増してくる不安が声にも現れたのか、空気を変えるように明るい声を出してくれる。
それもなぜかあのメガネを手にして得意げな表情を浮かべているのだ。


「お父さんのメガネ?」

コナン
「いいや、これ父さんのじゃなくて博士の発明品なんだよ」


前までかけていたお父さんのメガネにそっくりだったので気づかなかった。


コナン
「このメガネは犯人追跡メガネって言って、発信機を付けた対象が半径20km以内にいるなら居場所がわかるんだ!」

「めちゃくちゃすごい物じゃん!」


博士の発明品はガラクタだとよくお兄ちゃんにバカにされていたけれど、こうしてみるとすごい人なんだなと改めて思わされる。
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