第4章 2度目の事件
小五郎
「いえいえ!広田さん、もう娘さんを悲しませちゃいけませんよ」
広田 健三
「………」
広田 雅美
「お父さん、たっぷり言い訳してもらうからね!」
おじさんに頭を下げた後、何も言葉を発さない広田さんを連れて雅美さんは家へと入っていった。
これからは2人の間に何事もない事を祈りたい。
*✿✿✿✿✿*
あれから数日後、私達は再び広田さんの家へと向かっていた。
本当は解決した事件なので来る必要なんてない。
でも雅美さん達の事を気にして蘭姉ちゃんが電話をかけたが、全く繋がらず心配になって行く事になったのだ。
「…やっぱり何かあるのかな」
コナン
「どういう事だ?」
飛び出して行った蘭姉ちゃんの後を追いかけながら呟いた言葉を隣にいるお兄ちゃんが拾う。
「いや、あの時さ。広田さんの様子が変だったなって気になってたんだよね」
コナン
「あー。確かに驚いてたよな」
「そうじゃなくて…」
なんと言ったらこの違和感を上手く伝えられるのだろうか。
あの時の広田さんの表情や様子は驚いていたというより、驚愕していたといった言葉の方が合う気がする。
でも驚愕と驚きなんてほとんど差がないような言葉だ。
歩みを進めながらも考えていると、1つの言葉が頭に浮かんできた。
「怯え…」
コナン
「ん?」
「広田さん、自分の娘に対して怯えてたんじゃないかな」
それが1番しっくりくる。
しかも身を隠していたが娘に見つかってしまったなんて可愛い怯えではなく、もっと心から恐怖しているような怯え。
コナン
「怯え、か」