第4章 2度目の事件
あくまでも純粋な子供のような問いかけに改めて雅美さんを見る。
すると髪型は同じなのに服装は大人っぽくなっていて、少しメイクもしていて雰囲気が変わっていた。
蘭
「きっとお父さんに会えるからおめかししてるのよ!」
コナン
「ふーん…」
「………」
きっとお兄ちゃんはそんなものなのかとでも思っているのだろう。
でも私には少し違和感が残っていた。
いくら久しぶりにお父さんに会えるとはいえ、ここまでのイメチェンをして来るだろうか。
それも今回はかなり急な連絡だったはず。
これではまるで今の格好の方が普段の姿で、依頼をしに来た時の方がわざと雰囲気を変えてきたようではないか。
蘭
「音羽ー?」
「!」
そんな風に考え込んでいた私を呼び戻したのは蘭姉ちゃんだった。
蘭
「行かないの?」
「あ、待って!」
考えすぎるのは私の悪い所だ。
私ならしないだろうが、雅美さんは蘭姉ちゃんの言う通り手早くおめかししてきたのかもしれない。
だから変に怪しむのは止めようと思い、私は入口で待っているみんなの元へと急いだ。
*✿✿✿✿✿*
広田 雅美
「ずっと探してたのよ…」
今、私達の目の前では親子が向き合っていた。
もちろんその親子とは広田 健三さんと広田 雅美さん。
おじさんが見つけてきた広田さんの自宅前で、雅美さんは父親に抱きついて再会を喜んでいるようだった。
広田さんの強ばった表情が少し気にはなったが、もしかしたら敢えて雅美さんと連絡を取っていなかったのかもしれない。
広田 雅美
「探偵さん、いろいろお世話をかけました」