第3章 毛利探偵事務所
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夜でも人が多く、賑わっている空港。
小五郎
「いいか!邪魔だけはするんじゃねーぞ?」
蘭/コナン
「はーい!」
元気に返事をしている2人とは対照的に、先程までの苦労のせいで私は頷く事しかできなかった。
着替え終わってどうしようかと悩んでいた私の前へこそこそと現れたお兄ちゃんを見て、安心しながらも怒ったのは言うまでもない。
コナン
「おい、音羽」
そんな風に先程の事を思い出しながら行き交う人々をボーッと見ていたら、腕をお兄ちゃんが引っ張ってきた。
コナン
「なんとかこの場を離れられねーか?」
「へ?なんで…」
コナン
「早くしねーと搭乗手続きが始まっちまう…!」
詳しくは話してくれないが、緊急事態らしい。
話を聞く為に屈んでいた足を伸ばしておじさんのところへと行く。
「おじさん」
小五郎
「ん?」
警部さんと阿部さんを探していたおじさんに声をかけるのは申し訳ない気もしたが、急がなくてはいけない。
「コナンくんが空港に来るの初めてらしくて、ちょっと見て回って来てもいいですか?」
小五郎
「あ、ああ…。でも人が多いし、何かあったらすぐ連絡するんだぞ?」
「わかりました。おじさんと蘭姉ちゃんは事件の調査、頑張ってください!」
心の中で謝りながら手短に話を終わらせると、お兄ちゃんと手を繋いで歩き始めた。
「それで?おじさん達から離れるって事はここに呼び出したのはお兄ちゃんなの?」
そしておじさん達から離れ、声が聞こえない場所まで移動してからそう切り出す。