第3章 毛利探偵事務所
小五郎
「まあ、いいけどよ…」
そして驚いている間におじさんは了承していて、あっさり行く事が決まってしまう。
蘭
「やった!ほら音羽も外に出られる準備しておいで」
「あ、うん」
私もこの事件の行く末が気にならない訳ではない。
だから蘭姉ちゃんに促されるまま、外へと足を向ける。
小五郎
「コナンはどうすんだ」
蘭
「そうだ。コナンくんも呼んでこないと!」
そんな私の足を止めたのは2人の話の内容だった。
「………」
これはまずい。
このまま蘭姉ちゃんに行かれると、お兄ちゃんが家にもいない事がバレてしまう。
「ら、蘭姉ちゃんは準備終わってるんでしょ?」
蘭
「うん。このまま出られるよ」
「じゃあ準備終わらせてから私が連れて来るよ」
私の提案を蘭姉ちゃんはお願いしてもいい?と優しく受け入れてくれた。
これで納得してくれるだろうか不安だったが、上手くいって安心する。
「湯冷めしないように着込んでくるからちょっと待っててください!」
小五郎
「まだ時間あるから慌てるんじゃねーぞ!」
「はーい!」
元気に返事をして扉を閉じる。
そして扉を背にしてから、ようやく肩の力が抜けた。
「はぁ…」
お兄ちゃんはこっそり抜け出したのだからそう遠くへは行かないはずだ。
今のやり取りの間に帰ってきてるといいのだが、きっとそう甘くはないだろう。
でももし準備ができても帰ってこなかった時はどうすればいいのか。
「はぁ…。考えるだけで頭痛い」
お兄ちゃんのフォローをしに来てまだ2日目。
既に頭が痛いこの状況に、またため息をついてしまうのだった。