第3章 毛利探偵事務所
蘭
「お父さん出てきたから帰るわよー!」
「はーい!」
おじさんも蘭姉ちゃんもナイスタイミング。
運が良かったと安心しながら歩き出す。
コナン
「あ!まだ話は…!」
そんな私の背中に言いたい事を言えなかったお兄ちゃんは慌てて声をかけた。
もちろん話の続きを聞くつもりなんてない私だが、立ち止まって振り返る。
「ほら、早く行かないとおじさんに話聞くんでしょ?コナンくん」
コナン
「このガキ…」
わざとコナンの名前を強調した煽り文句。
呟かれた言葉に今はお兄ちゃんの方がガキな気がすると思ったが、それを言うと後が怖いので心の中に留める事にした。
*✿✿✿✿✿*
お兄ちゃんが聞き出した話によると、容疑者は被害者の友人である阿部 豊さん。
彼が容疑者に浮上した理由としては、被害者がかけていた5億円もの生命保険の受け取り人だったからだ。
なぜただの友人だった彼が受け取り人だったか。
それについては、2人でどちらが長く生きるかというゲームをしていたかららしい。
そしておじさんに被害者を前日まで尾行するように頼んでいたのも阿部 豊さんで、身の回りの不安を訴えていた被害者の為に手配したという事だった。
小五郎
「くそ〜!奴が犯人で間違いないのに!!」
「確かにおじさんにわざわざ依頼料を払ってまで尾行させたのも怪しいですよね」
ただ本当に友人が心配で依頼したというのもおかしな話ではない。
そう思いながらも悔しそうなおじさんに声をかけると、新たな情報を教えてくれた。
小五郎
「そうなんだよ!しかも3日間尾行しただけで50万だぞ!?」