第3章 毛利探偵事務所
「本当だよね。後どれくらいかかるんだろ」
私と蘭姉ちゃん、そしてコナンくんは学校帰りに警視庁の前にいた。
警視庁にいるのは昨日の殺人事件の証人としておじさんが呼ばれたから。
わざわざ私達までここにいるのは、おじさんが呼ばれていた時間が丁度3人の下校時刻に近かったから一緒に帰ろうという話になった為だった。
コナン
「音羽姉ちゃん!サッカーしよ!!」
「え、いいけど…」
中学生は蘭姉ちゃん達と違ってスマホを学校に持っていけないし、今日に限って本を持ち歩いていないという不運。
そんな暇つぶしもできずにただボーッとしていた私へ無邪気な誘いがきた。
普段ならこの年齢の子に誘われたらいいよと受け入れるだろうが、中身がお兄ちゃんだと思うと何を企んでいるのかと身構えてしまう。
蘭
「あんまり遠くに行かないでよ?」
コナン
「はーい」
とりあえず、蘭姉ちゃんに元気に返事をして走っていくお兄ちゃんの背中について行った。
走るといってもそんなに遠くへは行けないので、少し離れた開けた場所で私達は立ち止まる。
「コナンくんさ、何かやけに楽しそうじゃない?」
コナン
「そうか?」
わざわざ誘っておきながら1人でリフティングをしているお兄ちゃんは、私の言葉に工藤 新一として答えてきた。
「うん。どうせ事件関係なんだろうけど」
サッカーは小さくなっても相変わらず上手なままらしい。
機嫌良さそうなお兄ちゃんはいつも以上に調子が良く、こんなに上手い1年生がいるのかと心配になってしまう程の腕前を見せている。