第3章 毛利探偵事務所
おじさんの意識がテレビへと集中した事に安心していたのだが、何か反応がおかしい。
《なお警察では他殺の可能性が高いとして引き続き捜査を…》
「おじさん?」
大音量でニュースが流れ続けるテレビの前へと行ったおじさんは、なぜかテレビへと掴みかかっていた。
何が起きたのかわからずお兄ちゃんへと視線を送る。
コナン
「おじさん、知ってる人?」
静かにおじさんへと問いかけたお兄ちゃん。
おじさんはテレビから目を離す事なく、ゆっくり頷いていた。
小五郎
「ああ。確かにこいつだ…間違いない」
「まさかおじさんの知り合いが殺されるなんて…」
お兄ちゃんの正体がバレないようにと取った行動だったが、まさかこんな事になるとは予想外すぎる事態だ。
小五郎
「それが知ってるどころか俺は3日間この男のそばにいたんだよ」
コナン/蘭
「まさか…!!」
「!」
3日間そばにいた。
普通ならどういう事だと首を傾げるであろうその状況だが、私を含むこの場にいる全員が意味を理解していた。
3日間といえば、おじさんが仕事があると言っていた日程だ。
探偵が3日間も拘束されるような仕事なんてそんなにない。
小五郎
「俺は昨日まで尾行していたんだ。この男を…」
被害者は尾行対象だった。
でもおじさんが今日死んだばかりの被害者を前日まで尾行していたという事実に、何か引っかかる。
なぜそんな偶然がおきたのか。
「………」
お兄ちゃんやお父さんと違って推理力など皆無な私には、この違和感のある状況に首を傾げる事しかできなかった。
*✿✿✿✿✿*
蘭
「遅いね、お父さん」