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桜の秒針【名探偵コナン】

第3章 毛利探偵事務所





実際の親子のような距離感で行われる会話に少し感心してしまう。


小五郎
「それにしてもお前、これじゃあ捨てられたも同然だな…」

コナン
「あはは…」


デリカシーのない言葉に苦笑するしかないお兄ちゃん。
もしかすると上手くやっていけるのは、おじさんのこういう性格のおかげかもしれない。


小五郎
「お前の親の面が見てみてーな…って」


そんな事を思いながら微笑ましく2人を見ていたのだが、ここで空気が変わった。


小五郎
「お前の顔、どっかで見た気が…」

コナン
「え!?」


おじさんがお兄ちゃんの顔をじっと見つめて考え始めてしまったのだ。
蘭姉ちゃんと幼馴染みのお兄ちゃんの子供の頃の顔をおじさんはもちろん知っている。


「………」


私がされているお父さんからの頼み事の1つは、おじさんと蘭姉ちゃんから工藤 新一だと気づかれないようにフォローすること。
早速訪れたピンチを切り抜ける為にはどうすればいいのか。

少し考えた末、目に入ったリモコンを手に取ってテレビの音量を一気に上げた。


《今夜8時頃、観光客で賑わう赤鬼村火祭の矢倉の中から男性の焼死体が発見されました》

小五郎
「うお!」

「あ、ごめんなさい。リモコン触っちゃった…」

小五郎
「いやいや、ちょっとびっくりしただけだから」


テレビのすぐ近くにいたおじさんはすごくうるさかっただろう。
申し訳なく思いつつも、お兄ちゃんから予定通り視線は外れた。


《遺留品などから死体は根岸 正樹さん、42歳と判明》

小五郎
「なんだと!?」
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