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桜の秒針【名探偵コナン】

第3章 毛利探偵事務所





「私の事まで姉ちゃんって言ってくれるんだ?」

コナン
「…だって僕よりずっと年上だからね」


新鮮さを通り越して違和感でしかないこの呼び方。
不服そうなお兄ちゃんには悪いが、今後呼ばれる事もなさそうなこの呼び名を今は楽しませてもらおう。


小五郎
「そういえばこのガキはいつまで預かる気なんだ?こいつの親はまだ入院してんのかよ」


「あー、それがね?退院はしたんだけど、急に海外へ転勤が決まったらしくて…」

小五郎
「それでのこのこ預かって来た訳か…」


もう少しマシな嘘はなかったのだろうか。
おじさんと蘭姉ちゃんだから指摘しないでくれているが、どう考えても退院後に息子を預けたまま海外への転勤は異常でしかない。



「…だって可哀想じゃない」

「蘭姉ちゃん…」


そんな風に思っていた私の耳に聞こえてきた蘭姉ちゃんの呟き。
心の底から心配して、江戸川 コナンに対して可哀想だと思ってくれる蘭姉ちゃんに少し罪悪感が湧いてくる。


小五郎
「まあ預かって来たんだからお前がちゃんと面倒みるんだぞ!」


「うん!」


いくらお父さんの頼みとはいえ、子供が2人も増えるのは大変だ。
それなのに受け入れてくれるこの優しい2人には、お兄ちゃんが戻った後にたくさん恩返しをしなければならない。


小五郎
「そしてコナン!お前は音羽ちゃんに迷惑かけないようにな!」

コナン
「はーい!」


私は別に実の兄だから構わないのだが、おじさんはそう注意までしてくれた。
お兄ちゃんも子供らしい返事をしている辺りなんだかんだで上手くやっているらしい。
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