第3章 毛利探偵事務所
「こんばんはー」
少し開いた隙間から顔を覗かせると、部屋の中にいた3人の視線が集まった。
毛利のおじさんと蘭姉ちゃん、そして小さくなったお兄ちゃんを順番に見る。
コナン/蘭
「!?」
小五郎
「おー!音羽ちゃん来たか!」
突然現れた私に驚いてしまっている2人を他所に、事情を知っているおじさんだけは笑顔で歓迎してくれた。
「おじさん、今日からお世話になります!」
小五郎
「ああ、自分の家だと思ってゆっくりしてくれ」
さすがに自分の家とまではいかないが、こんな風に言ってくれると気持ちが楽になる。
私はそんな優しい言葉に迎えられて、事務所の中へと足を踏み入れた。
蘭
「いや、お父さん!どういう事なの!?」
ここで待ったをかけたのは蘭姉ちゃん。
この反応といい、おじさんは蘭姉ちゃんに私の事を話していなかったのだと思う。
小五郎
「今、新一が事件で出ていったから音羽ちゃん家で1人になってるだろ?だから落ち着くまでの間はうちで面倒見てくれって工藤さんに頼まれたんだよ」
蘭
「新一のお父さんが…」
「そうなの。少しの間よろしくお願いします!」
事情さえわかれば全然問題はなかったらしい。
私がペコッと頭を下げると、これからもっと賑やかになるねと笑ってくれた。
「………」
コナン
「………」
話が一段落ついたところで、まだ会話をしていないお兄ちゃんの方へ視線を向ける。
するとこちらを何か言いたげな表情で見ていたお兄ちゃんと目が合った。
「コナンくん、ひさしぶりだね」
コナン
「そうだね。音羽…姉ちゃん」