第2章 留守番後の衝撃
それに中学生が1人暮らしをするのは世間体にも良くないはずだ。
「とりあえずお母さんに電話してみようかな」
蘭
「でも今日は?1人じゃ危ないでしょ?」
「んー」
正直今日が1番危ないのはわかっている。
でも急な上、こんな夜に行く宛などあるはずもない。
阿笠博士
「じゃあ今日はワシの家に泊まりなさい。それなら蘭くんも安心できるし、音羽くんも普段通り通学しやすいじゃろう」
そんな心配を解決してくれたのは、ありがたい博士の提案だった。
博士の家には隣という事もあり、小学生の頃はよくお兄ちゃんと泊まったり遊びに行っていた。
だが成長するにつれて足が遠のいてしまうのはよくある話だろう。
「ひさしぶりだから楽しみだな〜」
大変な状況のお兄ちゃんには申し訳ないが、私は急に決まったお泊まりがすごく嬉しかった。
蘭
「じゃあ博士、音羽をお願いします」
阿笠博士
「ワシこそコナンくんを頼んじゃぞ」
満足そうな私を見て蘭姉ちゃんも安心したらしい。
まるでお互いが保護者のような言葉を交わした後、私達は揃って工藤家を後にしたのだった。
*✿✿✿✿✿*
博士の家に来て、すぐに電話をかける。
相手はもちろんお父さんだ。
時差が気になるところだが、緊急事態なので許してもらいたい。
「……だよねー」
だがしばらくコール音が流れた後、私の耳に聞こえてきたのはお父さんの声ではない機械音声。
さすがに忙しいお父さんにすぐ出てもらえるなんてラッキーはなかったらしい。
阿笠博士
「有希子さんは出らんのか?」
「んーん。お父さんにかけたんだけど出なかった」