第2章 留守番後の衝撃
急な頼みに困惑しながらも蘭姉ちゃんは受け入れてくれた。
正体を話せないのに蘭姉ちゃんの所へ行かせるのは、恐らく何かしらの考えがあるからだろう。
新一
「僕もお姉ちゃんの家がいいー!」
蘭
「そう?じゃあお姉ちゃんの家に行こっか!」
お兄ちゃんも博士の言葉を聞いて不満そうな顔をしていたのに、博士と2人でコソコソと話してから急にそんな事を言い始める。
一体何を言われたのか気になるが、それ以上に子供という立場を利用して蘭姉ちゃんにベタベタくっつくお兄ちゃんに頭を抱えそうになっていた。
もし自分の正体に気づかれてしまった時にはどう弁明するつもりなのか聞いてやりたいくらいだ。
蘭
「それじゃあ私はコナンくん連れて帰るけど、音羽は大丈夫なの?」
「え?」
これでヒヤヒヤする時間が終わる。
安心しかけていた私に、お兄ちゃんと手を繋いだ蘭姉ちゃんは困ったような顔を浮かべていた。
蘭
「だって新一は事件で出て行っちゃったから、音羽は今日1人って事でしょ?何日後に帰ってくるかもわかんないし……」
お父さんとお母さんは海外暮らし。
お兄ちゃんが子供になってしまった今、元に戻れるまではこの家に1人という事になってしまう。
そんな当然の事実に、言われるまで私は気づいていなかった。
阿笠博士
「確かに中学生の音羽くんを1人にするのはよくないのぉ」
博士はお兄ちゃんの方を見ている。
その行動で、博士がしている心配の意味を理解した。
もし1人でいる時にお兄ちゃんに毒を飲ませた奴らが来てしまったらどうするのか。