第2章 留守番後の衝撃
なんとか立て直して無邪気に答えたお兄ちゃんに、安心からため息が漏れてしまったのは仕方ないだろう。
蘭
「じゃあ小学1年生だね!」
新一
「う、うん!」
蘭
「私は毛利 蘭。僕の名前は?」
新一
「あ、えっと……」
詰まりながらもなんとか答えていたのに、さすがにこれにはお兄ちゃんも言葉を止めていた。
周りをキョロキョロと見渡しながら蘭姉ちゃんから距離を取る為か、後退りまでしてしまっている。
「……っ」
阿笠博士
「ら、蘭くん!その子は人見知りで……」
そしてとうとう本棚のすぐ側にまで下がったのを見て、博士がフォローに入ろうとした時だった。
新一
「……コナン。僕の名前は江戸川 コナンだ!!」
お兄ちゃんは薄らと冷や汗をかきながらも、そうハッキリと名乗った。
江戸川 コナン。
勢いでつけたからか日本風ではないが、どこかで聞いた事があるような名前だ。
蘭
「コナンくんかー。珍しい名前なのね」
新一
「……あはは」
あまりにも珍しすぎる名前に、蘭姉ちゃんも素直に驚いていた。
なぜあそこで苦笑している兄はもう少し自然な名前を考えられないのだろうか。
阿笠博士
「蘭くん、自己紹介も済んだところで相談があるんじゃが……」
蘭
「相談ですか?」
コホンと咳払いをして博士は話を変えた。
蘭姉ちゃんもお兄ちゃんの目線に合わせて屈んでいたが立ち上がって博士の方を見る。
阿笠博士
「ああ。実はこの子の親が事故で入院してるんじゃが、その間だけでいいから君の家で預かってもらえんか?」
蘭
「この子を?大丈夫だとは思いますけど…」