第7章 ◇You and I◇
「俺だってわかんねぇけど」
「何で人事―…」
「カズが!特別!…やっぱ俺もゲイなのかな?」
「も、ってなに。俺は違うよ」
「そうだって言ったじゃん!?」
「世間一般の、いわゆる『ゲイ』ではないから」
「俺との間ではゲイでいいだろっ」
「いや…。二人だけのことなら、別に、ゲイじゃなくてよくない?逆に」
「…そっか」
「そうでしょ」
「そうだな!俺らだったらフツーだよな」
「…」
いや、フツー、ではないよね。さすがにここまでは。大宮でキスくらいは挨拶だとしても、ここまでは違うと思うよ。さすがの俺でも。逆にゲイって言っていいラインは超えてるでしょ。世間一般でも。
だけど
アリ、なのかな。俺らなら。二人なら。これも。ある意味フツー…
や、そんなわけない(笑)。
アッブねぇ~!
ほらね?危険なんだよ。
あの人絡むと常識がちょっとおかしくなりがちで怖い。
フツーじゃない。
あの人とオレの関係は、普通、じゃない。
そしてそれはたぶん
いや、絶対に
喜ばしいことではない。
普通、がいいわけではないけど、普通であったほうがいいことはあるじゃん。まさによね。コッチに関してはあきらかに、確実に、俺らの方がイレギュラー。
わかってる。
でも
実際、どうでもいいんだよね。そんなこと。
普通であろうとなかろうと。他の評価なんて関係ないんだから。気にしてないもん、俺らが。だからどうでもいい。そこに関しては別に何とも思ってない。
けど