第7章 ◇You and I◇
「てか、そっちこそどーなんすか。誰彼構わず襲ってんすか」
「誰彼…。してないわ」
どーだかな。モテモテだからね、この人。入れ食いでしょ。
「いつから男に目覚めたんすか。前はフツーに彼女いましたよね?」
「別に、目覚めてない」
「え?あ、え?最初に…」
一線超えてきたのはもちろんこの人の方。まあ、酔った勢いもあったんだろうけど。
「いや、俺も同じだな~。カズ、だから?」
「っ」
そんなことが
「あとは思わないもん。欲しい、とか」
そんなたったの一言が
大して考えてもいない、そんな一言が
「なんでだろうな?」
どれだけの破壊力があるか
あなたは知らない。
「…こっちが聞いてんですよ」
そして
俺も知らない。
子供みたいに
何度も何度も
「や、フツーに、女の子、好きですよね?」
「好き♪」
「なら」
おかわり欲しさに
問わずにいられない
「違うんだよ。だから。…カズが特別なんじゃない?」
ほら
こういうの言わせたくて仕方ない
そんな浅ましい自分がいることを。