第6章 ◇WHY◇
「…まだやってんの」
「そっちこそ。よーやく起きたの」
「ん、うん…。寝れなくて…」
「打ち合わせで寝てたからね」
「そうじゃなくて。いろいろ作ってて…最近寝てないの」
「…そうなんだ」
背もたれソファーはヤツの巣だった。ソファー、ホント楽みたいで。完全に彼のものと化してた。ま、俺はもともとあんま座ってないから。来客用みたいなもんだったから。
何にしても気を遣わないからこっちも楽。てか俺の家だし?なんで居るんだろって気持ちと…ちょっとだけ、誰かがいるっていうプラスの気持ちも、なくはなかった。正直。
求められるとうれしいじゃん。
たぶん、それだけだよ。理由。一線を越えたのだって別に、流れって言うか。流されたっていうか…欲されたから。そりゃ嫌だよ。俺だって男だし、一応ノーマルな、女の子が好きな男だから。