第6章 ◇WHY◇
鍵は、結局替えてない。金もったいないし。だからまだ、一人だけは勝手に出入りできるアンロック状態。
肝心の家賃はねぇ…
言ってたくせに払ってもらえてないんだよね。一銭も。半分払うって言ったの向こうだからね?そりゃーもらうよ。まとめて。未来永劫の分もしっかりもらうつもりでいるよ、俺は。そのうち利子もつけてやろうかと思ってる。結構マジで。
ちっさいワガママのために合鍵を返さなかった男は
たぶん、どっかで生きてるでしょ。
だってその後一回も来た形跡ないから。ま、ぶっちゃけ結婚した後からね。だいぶギリまで冗談だと思ってたらしいしね。
引き払ってもいいとは思う。付き合う必要一切ないんだし。てかもう、ないし。…そういうのも。
あれだって、求められたから。基本、あっちが一方的に求めてきたから、俺は
俺はいつもそうよ。基本、誰に対しても。
求められれば
求められるからこそ
みたいな人生だから。
来るもの拒まず。去る者追わず。
追わないよ。だから。だからってこともないけど。
でも