第6章 ◇WHY◇
「あ」
あ~…
いや、うん。ちょっと。気づかなくてもいいこと気づいちゃった。
この部屋さ。ちょうどタイミングってのもあるんだけど、基本外で会ったりしないからさ、カノジョさんとは。大抵はおうちデートなわけなんだけど。
何度も引っ越ししてる。けど、たまたま、この部屋にはカノジョを連れてきたことなかったな、って。
そんで
全然代わりじゃないけど
押しかけ女房…的に、ヤツが通ってきてたっけな、って。
同性だからね。数にはカウントしてやんないけど。そういう、肉体関係的な間柄の人は、この部屋においては、彼だけだったな、って。