第4章 ◇怒れる窃盗犯◇
ガチャ!
「ごめん!遅くなった!」
勢いよく楽屋に飛び込んできたのは…
相「だいじょぶ、翔ちゃん。まだね、リーダーが来てないから」
櫻「え?でももう…時間ギリだよね?」
松「正確には5分過ぎてます」
櫻「ゴメン!ちょっとトイレで格闘してました!」
二「格闘トイレね(笑)」
相「でも珍しいね、リーダーがこんな遅いなんて」
松「なんか連絡取れないらしいよ。電話かけても出ないとか」
櫻・相「マジで!?」
うわ~…
まあ、バイブの音がわかんなそうな場所にあったしな、ケータイ。
うん。
うち来るなり盛って。ズボン脱ぐ最中落っこちそうになったのを危ういとこでキャッチして、脱いだジーンズの上に置いてた。そしてその上にシャツぶん投げてたから。ちょうど覆われて何の役目も果たさない物体に成り下がったんだよ、あの瞬間。彼の携帯は。
なんせあの人、盛ってたから。ホントに。人のこと見るなり欲情して?発情期の獣のように襲い掛かってきたからね。
ま、それが昨夜の第一幕。なかなか幕が下りない超ロング公演で。ええ。それも二、三回公演?で、ボロボロのはずの今朝、まさかの。まさかの寝起き上演。
さすがにね?精力だけは旺盛なあの人だってなんも残ってないでしょ。起きる気力すらないのかもねぇ。
ま、自業自得だけど。