第1章 この世に生まれたからには
学校の授業を抜け出してはしょっ中、トイレに篭って考え事をした。どんないたずらをしてやろうかと考えるのには打ってつけだった。
「さて、どんないたずらをやろうか?」
最初はスクールランチの時に隣の席の奴の弁当に葉っぱを入れてみたりした。次第に葉っぱから虫に変わり、砂や泥を入れたこともある。廊下にバナナの皮を落とすのはお手のもの。そんなことをしていると先生にはバレるし、成績にも響く。そして母が学校の先生にとうとう呼ばれてしまった。
★★★
ガチャッ
「ただいま。」
俺は母に叩かれるのではないか、殴られるのではないかと怯えていたが、母は呆れているだけだった。
「やめてちょうだい。これ以上、私を困らせないで。」
母はそう言って頭を抱えてテーブルについた。
「罰として今日の夕飯はどうするべきか考えなさい。」
「はい・・・ごめんなさい。」
俺は俯いてぽつりと言った。そしてとぼとぼと自分の部屋に向かった。
夕飯の後、父が帰ってきてこっぴどく叱られたのは言うまでもなかった。
「学校は何のために通ってるんだ?勉強しに行くところだろ?保育園とはもう違うんだ。お前も小学生なんだから自覚持ちなさい!」
父に拳で頭を叩かれた。
正直痛かった。反省はしたつもりだった。でも、俺の頭はまた違う方向に働いた。もっと両親や先生にバレないようないたずらを考えたいと思った。
そのいたずらがある日を境に度を過ぎることになった。それは俺のクラスに転校生が越してきたあの日からだった。
「皆さん、おはようございます。今日は良いお知らせがあります。我がクラスに転校生が来ることになりました。それでは転校生がやって来ますので拍手で迎えてください。」
先生の説明を聞いた俺はワクワクしていた。
男子なら友達になれそうかな?とか女子ならかわいい子がいいなと胸を躍らせていた。
そして転校生が扉を開けて入って来た。