• テキストサイズ

異世界からこんにちは

第1章 異世界からこんにちは


「おい、聞いているのか?」

ぶつぶつ考察を呟いていた私に、ようやく露伴先生の声が届いた。

「聞いてました」

「ははぁ、嘘だね!」

「嘘ですね……」

潔く認める私を見て、一つため息を吐く露伴先生。

ごめんなさいと心の中で彼に謝っていると、彼は、
「あまり信じられないなら、スタンドを出してみればいいんじゃあないか?」
と提案してきた。

「出し方、なんて……分からないんですけども……」

ごにょごにょと返事をする私に、
「スタンドを出そうとイメージしながら、名前を叫んでみればいいさ」
と、露伴先生は答えてくれた。

なるほど、そうすればいいのか……。今露伴先生が言った事は、夢の中では実際にやった事がある。
やった事があるのならば。夢の中か現実か、その舞台が変わるだけだ。……『だけ』ではなくない? 大分変わってる気が……。

いや、今はそんな事を気にしている場合ではないか。
とにかく、やってみよう。

椅子に座っている私は、ピンと背筋を伸ばし、深呼吸をした。

「──〈偽りの部屋〉!」

私がそう叫ぶと、身体の内側から〈何か〉が出てくるような感覚に襲われた。慣れない感覚に肩が跳ねる。

呼吸を整えてからきょろきょろと辺りを見回してみると、何と、私の左肩の辺りに人型の何かがいた。
そいつは透けたりせずしっかりとここに存在している。じっと私を見つめてきていた。
/ 11ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp