第1章 異世界からこんにちは
「でも、そうですよね……。先生の提案は魅力的ですし……」
私が小さな声でそう言うと、露伴先生の顔が心做しか輝いているものに変化した。
「よろしくお願いします。岸辺先生」
「ああ、下の名前でいいぜ。一緒に暮らすのに苗字ってのもナンだろ?」
「えっと……露伴先生」
露伴先生は、満足そうに笑った。
「こちらこそよろしく、名前くん」
彼の正面に座る私の目をしっかりと見ながら、彼はそう言う。
きっとこれから、私は杜王町で暮らしていく事になるのだろう。
時には、四部本編のような出来事に巻き込まれるかもしれない。
スタンド使いは引かれ合うって言うし、私もスタンド使いとなった今、絶対にないとも言いきれないのだ。
或いは露伴先生と共にどこかへ行き、その出先で怪異に触れる事があるかもしれない。
とにかく首を突っ込む露伴先生の事だ。同伴したらとんでもない事に巻き込まれるような気が……。
そんな生活も、悪くはないなと思ってしまう。
どうせならトリップという非日常を、とことん楽しんでやろうじゃあないか!
にやりと微笑む私を見て、
「急にどうしたんだい君ィ?」
露伴先生はそう言った。