第1章 異世界からこんにちは
遡る事数分前。
世間は平日。高校生である私も例に漏れず、支度を済ませて学校へ向かっていた。
電車通学である私は、改札を通ろうと改札に定期を翳す。
丁度改札を通り抜けた時──眩い光が、私を包み込んだ。
「わっ……!?」
思わず目を瞑る。目を瞑っていても、強烈な光は私の瞼を刺激していた。
手を顔の前に翳し、せめて少しでも光に抵抗する。
暫くするとその光攻撃は止み、私はおずおずと目を開いた。
「──は?」
視界には、駅と、電車から降りた人々が歩く姿がうつるはずだ。
なのに、私の視界に広がっているのは……初めて来る、知っている──見覚えのある場所だった。
ちらりと横を向いてみると、そこにはオーソンと書かれたお店が建っている。
もしかして、だけど。ここ、杜王町では……?