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せいたかのっぽの王子様

第1章 1章


…あの後、

他の人達に早く保健室に行けと言われ、今鼻をティッシュで押さえて移動中。

一応保健委員だけど保健室は嫌いだ。




室ちんに付き添おうかと聞かれたが今はどうしても一人になりたくて断った。




ガラガラと保健室の扉を開けて中に入る。
電気がついていたので誰かいるのかと思えば誰もいない。



「え〜…誰もいないの〜?」



そう呟くと奥の方の衝立から「あっ…」と言う声と共にドサドサと音が聞こえた。



そして…
衝立の向こうから這いつくばって誰かが出てくる。




「ごめんね…!棚の整理に集中してたら気付けなくて…!」




「…………っ!!」





俺はその場で息を呑んだ。




目の前に立つその人は、朝に見かけたあの女の子だったのだ。


心配そうに猫を見つめていた彼女の瞳が、今度は自分を心配そうに見上げている。



「あれ……君は…」




彼女の瞳が何かを思い出すように揺れる。
見つめ合う時間が無限にさえ感じた。



「…ってそんな事より鼻血!!!垂れてる垂れてる!」





「んぇ…?」



気付けば押さえてたティッシュは床に落ちてユニフォームに真っ赤な跡がついてしまっていた。


「と、とりあえずこっち座って!はいこれ鼻栓!上向いちゃダメだからね…!」



入って少し進んだ所のソファーに座らされ鼻栓を入れられる。
奥からパタパタと予備のジャージやらなんやらを持ってきてくれた。



「大丈夫?貧血気味じゃない?あったかい飲み物とかいる?」



「ちょ…まって…ついてけてない。」



彼女の質問ラッシュに頭が追いつけない。
なんて過保護な人なんだろう。


とりあえず血が止まってからで良いだろうか…
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