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せいたかのっぽの王子様

第1章 1章


「よかった…もう止まったみたいだね。」



彼女はホッとしたように後処理をしてくれた。



ようやく鼻血が止まったか。
汚れてしまったユニフォームは保健室の隣の準備室にある洗濯機で回っている。

今は予備のジャージを借りて着てるんだけど
サイズがあった事に少しビビる。


落ち着いたところで出されたあったかいお茶を一口飲む。


うん、うまい。


「そういえば………誰だっけ〜?」



「あっ…ごめんね、挨拶まだだったね。


はじめまして!私はって言います!
今年、養護教諭として陽泉高校にやって来ました…!

よろしくね。」


彼女は新米だけどね、と苦笑いしながらそう言ってペコリとお辞儀をした。



…ごめん、年下か同じくらいだと思ってた。




「へぇ〜 俺は紫原敦…どーもよろしくお願いしま〜す…」



お互いに挨拶を済ませる。
それから他愛のない話をして過ごす。



普段は他人にも興味を持たないんだけど、彼女と話してる時間はなんだか自分には楽しく感じられたみたいで自然と心が弾むような気がした。


「ふふ、この学校に来て早速仲良くなれそうな生徒の子に会えてよかった…嬉しいよ。」


彼女のはにかんだ笑顔に自分の顔にも笑みが浮かぶ。
あぁ、良いな この時間は。
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